【第四回】
今日からできる
簡単インナービューティー

講師上田祥子うえださちこ
美容研究家/ライター/美容コメンテーター

内側から何を取り入れるかで、
肌土台が決まる
美肌を育てるためには、外からのケアだけでなく、いい食事や栄養素を内側からきちんと取ることが大切。細胞が健康的に生まれることが何より底力のある美肌を生み出します。今回はお肌のために日々積極的に取り入れたい、逆になるべくなら避けたい食べ物や栄養素についてお話しますね。
美肌の土台をつくる栄養素
取り入れたい栄養素
美しい肌のために積極的に取り入れたい基本の栄養素はタンパク質や必須脂肪酸、ビタミン・ミネラル類、そして腸内環境を整える乳酸菌や酵素、食物繊維など。これらの栄養素を意識しながら食事をすれば、肌が嬉しく変化します。
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タンパク質・必須脂肪酸
肌は主にタンパク質でつくられている
肌は、表皮はケラチン、真皮はコラーゲンやエラスチンなど主にタンパク質で組成されています。鶏肉や赤身肉など良質なタンパク質を取りましょう。また、細胞膜は体内で合成されない必須脂肪酸で組成されていますので、正常なターンオーバーのためにも魚介類などにふくまれる必須脂肪酸も意識して。
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ビタミン類・ミネラル類
健康な細胞のために欠かせない栄養素
肌のためにビタミン類がいいことはよく知られています。特に皮膚を作る細胞に関わるビタミンA、細胞の新陳代謝を高めるビタミンB群、コラーゲンの生成や肌の透明感を促すビタミンCは積極的に摂りたいもの。また、皮膚や粘膜の健康に欠かせないミネラル類も不足しないように心がけましょう。
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腸内環境を整える
発酵食品や食物繊維腸の状態と肌は綿密な関係が
便秘で吹き出物が出来たなんて経験ありませんか?「肌は腸の鏡」と言われるほど、腸内環境は肌にダイレクトに影響してきます。腸内の環境を整える乳酸菌や麹菌、納豆菌などは是非日々の食生活に取り入れたいもの。また食物繊維は腸内の悪玉菌や有害物質を減らす働きがあるのでとても大切です。
せっかくなら肌にいい食べ物をセレクト
肌にいい食べ物・
ダメな食べ物
肌と健康のために積極的におすすめしたい食材と、甘いものなどなるべく摂らないように心がけたい食材があります。ただ我慢しすぎはストレスになってしまうので、甘いものもたまにはご褒美として許してあげる気持ちで。
肌にいい食べ物
- 緑黄色野菜
- きのこ類
- 海藻類
- 赤身肉
- アスタキサンチンを含む鮭など
- 鶏肉
- 魚介類
- 納豆
- 発酵食品など
肌のために積極的に
取り入れたい食材
肌の代謝を高めたり、肌そのものを作り出す食材は毎日きちんと取ることが基本。私も野菜はたっぷり食べますし、タンパク質もしっかり摂ります。さらに腸内環境を整える発酵食品や食物繊維は、外食でもキムチを追加するなどして取るようにしています。
肌に悪い食べ物
- ファストフード
- 砂糖たっぷりのお菓子類
- 砂糖入り缶コーヒー
- スポーツ飲料
- 甘いジュース
- 酸化したもの
- トランス脂肪酸
- 糖質を大量に含む食材
- 脂肪分が過剰な肉
体に悪いものは肌にも悪影響。
極力避けましょう
肌にとって大敵なのが精製された砂糖がたっぷり入った食べ物。必要以上に摂取すると糖化が起きて肌老化を促進させる原因に。糖化が進むと肌はくすんでハリも失われます。また、酸化した油で調理されたものは体内で活性酸素を増加させます。脂肪が多すぎるお肉も注意が必要。
ちょっとした工夫で肌に差が出る
美肌に育てる食事のコツ
同じ食事でも順番や取り方によって肌への影響も異なってきます。野菜や海草類を先に食べる、お水はなるべく常温のものを選ぶなど、ちょっとした食べ方の工夫で美肌に繋がりますから、是非コツを覚えてください。
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食事はベジファーストの順番で
食物繊維を先に食べることで
血糖値の上昇を緩やかに野菜やきのこ類、海藻類など食物繊維を含んだ食材を先に取ることで血糖値の上昇を緩やかに抑えることができます。このメリットは太りにくいだけでなく、肌老化の原因となる糖化を防ぐことにもなります。外食で野菜類を食べるのが難しいときは食物繊維のサプリなどを活用するのも○。
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飲み物はなるべく常温か氷なし
急速に体を冷やすとめぐりに悪影響
冷たい飲み物で体が冷えると血流が悪くなり、むくみの原因に。めぐりが悪いと顔の血色感も損なわれてしまいます。老廃物や毒素も溜まりやすくなるので、お店のお水も氷なしをリクエストしましょう。韓国や台湾などの国々では健康を考慮して飲食店でもお水は常温で提供されることが多いです。
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ショウガなど体を温める食材を取り入れる
体を温めて、めぐりのいい美肌を
手に入れる健康の基本はきちんと血流が巡っていること。栄養素が行き渡り、血色感も変わるので肌も美しくなります。体を温める効果のあるショウガは特に寒い季節などお料理に入れたりショウガ茶を楽しんだりして日々積極的に取り入れましょう。また寒い土地で育つりんごや蕎麦なども体を温める作用があります。
みんなの素朴なギモンに答えてくれました!
質問タイム

受講者
質問
普段の食事とサプリ、栄養を補うならどっちがいいの?
普段の食事で摂りにくい栄養素を、サプリや健康食品で補っています。普段の食事で取り入れるのとサプリなどで補うのと、どう違うのでしょうか。

講師:上田祥子さん
回答
食事をメインにして、サプリは足りない栄養素を補いましょう
サプリはあくまで補助的な役割。素材そのものを摂るわけではないので、食事の+αとして、サプリや健康食品で補うようにしましょう。

受講者
質問
上田祥子さんおすすめのスーパーフードを教えてください
「チアシード」「マキベリー」「キヌア」「マカ」「スピルリナ」などなど、美肌づくりのお供としてスーパーフード(※1)が注目されているので、少し気になっています。 上田祥子さんが普段取り入れているようなスーパーフードは何かありますか?またスーパーフードを取り入れるうえで、注意したいこと等ありましたら、ぜひ教えてください!

講師:上田祥子さん
回答
私はアサイーやチアシード、ゴジベリーなどを積極的に摂っています
スーパーフードは、健康・美容に良い栄養分を豊富に含む、美の心強い味方。栄養面で優れているだけでなく、特定の美容成分の含有量が突出しており、効率的に体にいい成分を摂取することができる食品です。私はアサイーやチアシード、ゴジベリーなどを積極的に摂るようにしています。スーパーフードはサプリと同様に補助的な役割なので、足りないものを補う、プラスαで補う目的で取り入れましょう。 また、スーパーフードは原料が稀少なため海外から輸入される食材が多く、輸送に時間がかかります。完熟する前に収穫されてしまうことがほとんどで、栄養が足りていない可能性があります。摂取するのであれば、産地や製造工程にしっかりこだわってつくられたものや、新鮮で完熟した食材を選びましょう。
※2:スーパーフードとは?
一般的な食材と比べて栄養価が非常に高く、そのうえ抗酸化力のある自然由来の食材を、総称して「スーパーフード」と呼びます。海外セレブをはじめ美意識の高い女性たちが積極的に食事に摂り入れていると話題の食品です。

受講者
質問
糖化対策におすすめのスイーツを教えてください
「甘いものの取りすぎは糖化(※2)を引き起こすので、お肌に良くない」とお話しされていましたが、私、甘いものが大好きなんです…。甘いものを控えようとは思いますが、どうしてもガマンできないときは、どんなものを食べると良いでしょうか。

講師:上田祥子さん
回答
工業由来の砂糖を避け、植物由来のものにすると◎!マクロビスイーツ等もおすすめですよ
工業由来の砂糖を使ったお菓子は避けるようにしましょう。その代りに果物や蜂蜜など、植物由来の甘いものにシフトしてみてください。続けていくと、少しずつ肌に変化がでてくるはずですよ。また、全粒粉ビスケットやマクロビスイーツ、カカオ70%以上のダークチョコレート、48度以下の温度で調理するロースイーツなど、糖化をしにくいスイーツもたくさんありますので、ぜひ取り入れてみてください。
※3:糖化とは?
たんぱく質や脂質が、糖と結びつくこと。肌焦げとも呼ばれています。肌内部では、肌密度と弾力を左右するタンパク質、コラーゲンとエラスチンに砂糖が結びつき、タンパク質が硬くなり、肌の透明度が低下します。糖と結びついた糖化タンパク質はどんどん劣化していき、“AGEs”(終末糖化産物)となって、そのまま蓄積。肌のハリが低下し、肌老化を加速させると言われています。
まとめ
体のめぐりを調えながら
美肌のためになる食材選びを
“You are what you eat(あなたは食べたものでできている)“という言葉がありますが、まさに私達は食べたもので作られているわけです。だからこそ肌のためにいい食材を積極的に取り入れて美肌を育てたいもの。体のめぐりが整うことで、血色感や透明感のある肌へと導かれていきます。化粧品選びも大切ですが、食事にも同じくらい気を配りましょう。
講師紹介

上田祥子うえださちこ
美容研究家/ライター/
美容コメンテーター
1991年クラリオンガールに選ばれ、モデル、レポーターなどを経て、1996年より美容ライターとして活動。
日本の美容情報のみならず、韓国、タイなどアジア諸国の美容を取材し発信している。