【第二回】
化粧品が合わなくなる
タイミングと肌との関係

講師上田祥子うえださちこ
美容研究家/ライター/美容コメンテーター

化粧品が合わなくなってしまう、
その理由とは
いつも使っている化粧品なのに、なぜか合わなくなってしまうことがありますよね。皮膚病レベルのものから、加齢によって化粧品と自分の肌が合わなくなってしまうものまで、その原因は様々。季節的な影響やホルモンバランスの乱れなどで、普段肌が強いと自負している人でもゆらぐときはあります。人気の化粧品でも合わない成分が入っていれば、肌荒れに繋がります。
昨日までは問題なく使えていたのに…
今まで使っていた化粧品が
合わなくなったときの症状
こんな症状が出たらご注意を!
今まで使っていた化粧品が合わなくなる原因
化粧品が合わなくなったり、効果を感じにくくなったりしたとき、まずはその原因にきちんと向き合うことが大切です。その上で、肌コンディションに合った化粧品でのスキンケアを、心がけるようにしましょう。
症状
- ニキビや吹き出物ができる
- 肌に刺激を感じやすくなる
- 朝起きたとき、肌が乾燥している
- スキンケアの効果を感じにくい
- ヒリヒリしたり赤みが出る
- 十分な保湿感や美白、エイジングケア効果が得られない
まずすぐにその化粧品をやめるべきなのが、ヒリヒリしたり吹き出物が出来たりと炎症を伴うような症状があるとき。酷い場合は皮膚科に行くことをおすすめします。また、年齢を重ねるごとに化粧品は見直す機会を設けて。これまで満足していたものでも、加齢によって肌の基礎力は低下していきますので、年齢に合ったものを選びましょう。
実はいろんな原因があった!
今まで使っていた化粧品が
合わなくなる原因
-
ターンオーバーの乱れ
誰にでも起こりうるからこそ、
適切な対処をお肌のターンオーバーは飲酒や食生活の乱れ、加齢や冷え、ホルモンバランスなどによって乱れてしまいがちです。紫外線の影響や肌荒れ時には、ターンオーバーの周期が早まって未熟な角質細胞が上がってきてしまうため、肌荒れに繋がることも。ターンオーバーが遅れると、肌のごわつきを感じやすくなります。
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生理周期
女性ホルモンのバランスが、
肌コンディションを左右生理のとき肌の不調を感じやすい方は多いはず。そこには女性ホルモンの分泌量が関係しています。肌の調子を良くするエストロゲンと肌の不調と関係するプロゲステロンの2つの女性ホルモンの分泌量の変化が影響するのですが、プロゲステロンが増える排卵期から生理前はニキビや吹き出物が出たり、敏感になることも。
-
肌ダメージが溜まっている
肌ダメージの蓄積が、
化粧品との相性に影響肌ダメージにも様々な理由がありますが、特に夏場の強い紫外線を受けた肌は角層が厚くなったり、乾燥したりしてメイクものりにくい肌になりがち。また、日々のクレンジングや洗顔が適切に行われず、肌汚れが残って、肌で酸化してしまうこともあります。逆に洗顔時の刺激によって、肌が敏感になっていることも。
-
肌コンディションが悪い
生活習慣の乱れなどで
肌コンディションは低下しがち寝不足、バランスの悪い食生活、飲酒過多など生活習慣の乱れはそのままダイレクトに、肌コンディションを低下させます。また、刺激の強い洗顔で肌がセンシティブになっていたり、旅行や出張などで長時間フライトの後も肌が乾燥してしまうので、普段のスキンケアでは十分でない場合があります。季節の変わり目も、注意が必要です。
化粧品が合わず肌が荒れてしまったら
化粧品が合わなくなった時の
対処法
では、化粧品が合わなくなってしまったとき、どのように対処すれば良いのでしょう?まずは原因をしっかりと見極めた上で、適切な方法を選択することが大切です。いずれにしても、肌をなるべく休ませてあげるよう心がけて!
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肌を休める
お疲れ肌は、まず休ませてあげることが大切
化粧品が合わなくなってしまっているのは、肌が疲れているサインでもあります。だからこそ、肌に休息を与えてあげることが大切。例えばメイクアップを数日お休みしてみたり。平日は難しいなら週末だけでも極力メイクをせずに(但し日焼け止めは必ず塗りましょう)過ごしてみてはいかがですか?
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無添加やミネラル成分の
化粧品に変える肌にやさしい化粧品を味方につけて
最近ではスキンケアのみならず、低刺激のファンデーションなどメイクアイテムの選択肢も増えました。肌が敏感に傾いているようなら、スキンケアとメイクアイテムを、刺激の低いブランドに切り替えるのもいいでしょう。また、ミネラル成分の化粧品は肌への負担が少なく、むしろ肌にいいものが多いのでおすすめです。
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年齢に合った化粧品に
切り替える自分の年齢に合った化粧品を
セレクトする化粧品が合わなくなる理由の一つに、その化粧品の年齢ターゲットから外れていることがあります。ずっと使ってきたから安心だとしても、20代向けの化粧品を40代が使うのは物足りなさが伴い、スキンケアのパフォーマンスも下がってしまいます。自分の年齢に合った化粧品に切り替えていくことも大切です。
みんなの素朴なギモンに答えてくれました
質問タイム

受講者
質問
肌を休める時に注意したいことってありますか?
肌を休める方法といえば、メイクをお休みする、肌断食をする等、いろんな方法がありますが、肌がデリケートな状態なので、逆効果となることは避けたいなと思っています。肌を休める時の注意点があれは、ぜひ教えてください。

講師:上田祥子さん
回答
完全なすっぴんはNG!肌を休める時は肌断食も避けた方がベター
「完全なすっぴん」は、紫外線や乾燥といった外的刺激をもろに受けてしまいますので、NGです。外出時はスキンケアの後に必ず日焼け止めを塗って出かけましょう。また、洗顔後は一切肌に何もつけない美容法「肌断食」も、肌状態によっては乾燥や肌荒れに繋がりやすくなるため避けた方が無難です。

受講者
質問
使い始めは良かったのに最近なんともない。これって肌に合っていないんですか?
使い始めは「良い!」って思っていたけど、使い続けてくるとスキンケアの手ごたえが感じなくなることがあります。これも、化粧品が合わなくなっているサインなのでしょうか?

講師:上田祥子さん
回答
肌のコンディションが整っているサイン。でも、肌状態が低下し始めているのなら要注意
スキンケア効果がきちんとなされて肌コンディションが整えば、使い始めたときほどの感動は薄れてしまうでしょう。ただし、明らかに肌状態が低下し始めた場合は、思い切って化粧品を変えることも大切です。

受講者
質問
化粧品が肌に入っていかず、肌の表面に残ってしまいます
肌荒れはないけど、使っている化粧品が肌に入っていかず、肌の表面に残ってしまうものがあります。これって化粧品が肌に合っていないのでしょうか?

講師:上田祥子さん
回答
つけすぎの可能性あり。適量を守るかブースターを取り入れてみて
まずつけすぎの可能性があります。必ずしも多く使えば結果が出やすいということではないため、化粧品それぞれの適量を守ることが大切です。スキンケアの段階でも角質層への浸透が鈍いと感じたら、ブースター美容液などを取り入れて浸透しやすい状態を作ってあげるといいですよ。
まとめ
化粧品が合わないと感じたら
症状に合わせて速やかに切り替えを
いつも使っていた化粧品が合わなくなったとき、まずはどうして合わなくなったのか?という問いをきちんと行って、理由を見極めること。その上で、勇気を持ってその時々の肌コンディションや、年齢にあったものに切り替えていきましょう。合わないものを使い続けてしまうことは、更に肌状態を悪化させる原因にもなるので、ご注意を。
講師紹介

上田祥子うえださちこ
美容研究家/ライター/
美容コメンテーター
1991年クラリオンガールに選ばれ、モデル、レポーターなどを経て、1996年より美容ライターとして活動。
日本の美容情報のみならず、韓国、タイなどアジア諸国の美容を取材し発信している。